太極拳

中国武術の歴史は数千年に及び、種類も豊富で数限りなく各地に存在します。その中でも簡化太極拳は、最も根強くたくさんの人々に愛好され続ける伝統楊式太極拳の風格を基調としており、健康法を第一目的に、動作は明確に覚えやすいことを原則に、約2年間の創作歳月を経て1956年に国家制定拳となったそうです。簡化太極拳は、24式の動作がセットされており、別名24式太極拳と言われ、日本でも広く親しまれています。その他の制定拳として、88式・32式剣・48式太極拳があります。

さて、年齢・性別・体力を問わず、誰もが参加できる太極拳は、意識・動作・呼吸を結合させ、体内の気血を四肢の先端まで行き渡らせ、腹腔内の血液循環を活発にします。初めは、覚えるのが大変かもしれませんが、根気よく動きを学んでいるうちに足腰の筋肉が強化され、運動力・バランス感覚が身に付いていきます。加えて、体内脂肪が減少することで成人病の予防や自己治癒能力が増し、また、複雑な動作を覚えることで大脳皮質が活性化され、認知症予防も期待されます。
太極拳は奥が深く、分かり始めると飽きずに長く続けることができます。それが何より、健康保持につながります。ただし、漫然と繰り返していては効果も進歩もありません。少しずつ上達への意欲を保ち、達成感を得ることが大切です。また、誤った動作で続けるとひざを痛めることになるので、正しい練習方法を一緒に学んでいきましょう。